春がはじまる頃に「たまたまであう展」を開催していただいたイラストレーターいちろうさんがまたここに帰ってきてくれました。今回のタイトルは「とびだす日」。数ヶ月かけて描かれた壁いっぱいに並ぶたくさんの作品が届きました。

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2017年に初めての個展「どこかのヒトコマ」を当店で開催されてから、今回で3回目。毎回かかさず来てくださる方もいたり、この場所での初めての出会いを喜んでくださる方もいたり、いつもギャラリーで起こる出会いを眺めては嬉しくなります。

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今回DMになった黄色いトラックのイラストは、初めて申込みをいただいた時に見せてもらった作品集「笑う門、曲がり道」の一ページ目を飾っていた絵と同じで、久しぶりに大事な友人に会えた時のように嬉しくて、今回はどんな作品がやってくるのか指折り待っていました。

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搬入の日、作品の入った大きなカバンを抱えてやってきたいちろうさん。今回は、画用紙やアートボード、ダンボール紙に描かれたイラストも多数。展示中は隠れて見えないものだけれど、絵の裏側には作業机から写った色とりどりのクレヨン屑がたくさんついていて、それがやけにきれいで、じんわりとあたたかい気持ちになりました。

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旅した尾道の風景

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ココロを持ったロボット

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今にもいい匂いがしてきそうでついついお腹も鳴ってしまうおいしそうなごはん、幸せな食卓。

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何処かで起こっていそうなすこし不思議な出来事

 

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今回はTシャツやキーホルダーなど新しいグッズも登場。会期中の在廊日には、公開制作や似顔絵もされています。いろんな色を次々重ねて紙の上に広がっていく景色、ぜひ間近でご堪能ください。

 

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いちろうさんの作品を見るといつも感じるこれはなんだろうと、ぼんやり考えてみました。たとえば、子どもの頃、ラムネ瓶から取り出してひとつふたつと集めてたビー玉。ビー玉越しのひっくり返ってぐにゃっとした不思議な景色が、キラキラしていてうれしくて。でもしょっちゅうどこかになくしては見つけるを繰り返す小さな宝物。大それた宝物ではないけれど、ふとみつけたら何かいいことがありそうな気がして嬉しくなる、そんな感じ。

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回を重ねていろんな作品に出会うたび、小さくて幸せな思い出が増えていくみたい。相変わらずあたたかくて、でもなんだかスキップするみたいに軽やかにパワーアップした、力の抜けた心地よい力強さを感じる作品が揃いました。いちろうさんの目に映る、頭に思い描く景色を、一枚一枚ココロを込めて描いた作品が並びます。ご来場をこころよりお待ちしております。

<過去の展示ご紹介記事>
どこかのヒトコマ展(2017年11月)
たまたまであう展(2019年3月)

いちろう個展『とびだす日』展
開催期間:2019年10月29日(火)-11月4日(月祝)
開催時間:10:00-21:00(最終日は16:00まで)
開催場所:ギャラリーアンフェール

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こもって描いていた絵が部屋をとびだして誰かと出会う。
こもって生きていた絵の中の誰かも、誰かや何かと出会う。
とびだした先の知らない世界では、ときどき希望に出会えたりする。

 

いちろう
1993年生まれ。大分県出身、京都府在住。
http://ichiro5.jimdo.com/

在廊予定:10/29、11/2、3、4

 

 

(上田)