書店内フェアのご案内:読香文庫(どっこうぶんこ)

 

香りで、本を選ぶという体験を。

 

デザイナー、香水専門店、本屋、編集者、大工…、当店スタッフも参加している、多業種のメンバーが集まった有志のチーム「混ぜるな危険」企画。

 

本を選ぶとき、なにを「見る」か。作家、表紙、デザイン、値段?
本を手にとる瞬間。私たちは眼からの情報に身を委ねます。それが普通です。

 

香りがつけられた5冊の本。その物語やキャラクターを読み解き、東山の香水専門店「LE SILLAGE」が本にぴったりの香りを選びました。嗅覚だけを頼りに本を選んで頂く実験的な試みです。

 

店頭でブラインドにした本は、購入して初めて、本のタイトルを知ることができます。お持ち帰りいただく本にも香りがついておりますので、作品を読んでいる最中にも鼻で楽しみ、よりその世界に没頭いただけます。

 

それでは、存分に香りと読書をお楽しみください。

 

  

日時
2019年12月1日〜2020年1月31日(※好評につき延長が決定しました。)

場所
恵文社一乗寺店
京都府京都市左京区一乗寺払殿町10 書店内

企画
混ぜるな危険

協力
恵文社 一乗寺店 http://www.keibunsha-store.com
LE SILLAGE https://www.instagram.com/lesillage_kyoto/

 

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2019年11月書籍売上ランキング

2019年11月の書籍売上ランキングをご紹介します。

 

 

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1位『バームクーヘンでわたしは眠った』柳木々々 安福望(春陽堂書店)

 

2位『起こさないでください』仲西森奈(さりげなく)

 

3位『京都のいいとこ。』大橋知沙(朝日新聞出版)

 

4位『マムアンちゃん』ウィスット・ポンニミット(マーマー)

 

5位『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』松本篤/AHA!(吉祥寺美術館)

 

6位『DARUMA PATTERN BOOK 4』(横田株式会社)

 

7位『門司の幼少時代』山田稔(ぽかん編集室)

 

8位『の』junaida(福音館書店)

 

9位『西淑 作品集 Shuku Nishi WORKS』西淑(ELVIS PRESS)

 

10位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

 

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第1位は、柳本々々さんの句と、安福望さんの挿絵による『バームクーヘンでわたしは眠った』。1年間、ウェブ連載上で毎日更新したものから103の組み合わせを厳選・再編集した一冊です。安福望さん直筆のミニ原画を書籍とセットで販売中です。]]

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第2位は、突如として現れた新出版社「さりげなく」から刊行された、仲西森奈さんの短歌集『起こさないでください』。12/1の京都新聞朝刊でこの本について短い文章を書いています。よろしければ、こちらから。なお、作家と出版チームになげかけたQ&A冊子をお買い上げの方への特典として差し上げています。部数に限りがございますので、ご希望の方はお早めに。

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第3位は、大橋知沙さんの京都歩き案内本『京都のいいとこ。』です。刊行から連続でランクインしている一冊。

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第4位は、タイ出身の漫画家・タムくんの生み出した代表的キャラクター『マムアンちゃん』を描いた四コマ漫画集。11/27にはイベントスペースにて、タムくんの似顔絵会を開催しました。

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第5位は、入荷がある度に売り切れているロングセラー、ゾウのはな子をめぐる写真集『はな子のいる風景 イメージを(ひっ)くりかえす』。AHA![Archive for Human Activities/人類の営みのためのアーカイブ]が企画したアーカイブプロジェクト、展示から生まれた一冊。AHA!さんが最近まで実施していたクラウドファウンディング企画も要注目です。https://motion-gallery.net/projects/nazoru_to_zureru

 

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第6位は、ダルマ糸でおなじみの横田株式会社発行のパターンブック第四弾『DARUMA PATTERN BOOK 4』。生活館ミニギャラリーでは、「秋の小さな編みもの展」と題した展示も開催しました。

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第7位は、ぽかん編集室刊、作家山田稔さんが幼少期の記憶を辿って書いた一冊『門司の幼少時代』です。11/17には、刊行記念のトークとして、山田稔さん、服部滋さん、澤村潤一郎さん、三名による鼎談イベントを開催いたしました。詳細はこちら

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第8位は、画家・junaidaさんの新しい絵本『の』。言葉と言葉の隙間にある「の」で、テンポよく繋がっていくエピソード。junaidaさんらしい、細やかで、おとぎ話の世界のような美しい絵がお楽しみいただけます。これからの季節、贈り物にも。

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第9位は、イラストレーター・西淑さんの集大成的一冊『西淑 作品集 Shuku Nishi WORKS』。当店にもファンの方が多い作家、待望の作品集です。ELVIS PRESSから。

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第10位は、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎さんの絵本『たぷの里』。外は完全に冬の寒さになりましたが、変わらず人気の一冊です。

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今月は以上です。来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

西淑 作品集 Shuku Nishi WORKS 発売記念フェア

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イラストレーター西淑さんの10年の画業をまとめた作品集の発売を記念し、当店でフェアを開催いたします。作品集に収録の原画の展示、イラストを手掛けた雑貨、書籍の販売を行います。また、フェア最終日の12月15日(日)12時~16時には、生活館軒先にて販売会と、miepump coffee shopの珈琲屋台を行います。作品集をお持ちの方は、その場で西さんがサインをお入れいたします。
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西淑 作品集 発売記念フェア
2019年12月1日-12月15日
恵文社一乗寺店 生活館フロア
*原画の販売はございません。

 

(田川)

2019年10月書籍売上ランキング

2019年10月の書籍売上ランキングをご紹介します。

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1位『高野文子「私」のバラけ方』高野文子 大竹昭子(カタリココ文庫)

2位『京都のいいとこ。』大橋知沙(朝日新聞出版)

3位『バームクーヘンでわたしは眠った』柳木々々 安福望(春陽堂書店)

4位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

5位『永井宏散文集サンライト』永井宏(夏葉社)

6位『602号室、木の見える部屋』スケラッコ

7位『Catnappers 猫文学漫画集』長崎訓子(ナナロク社) 

8位『100年後あなたもわたしもいない日に』土門蘭 寺田マユミ(文鳥社)

9位『門司の幼少時代』山田稔(ぽかん編集室)

10位『MONKEY vol.18』柴田元幸編(スイッチパブリッシング)

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第1位は、昨月に引き続き『高野文子「私」のバラけ方』です。文筆家・大竹昭子さんと漫画家・高野文子さんの対談を収録した一冊。現在発行元在庫なし。増刷があるまで再入荷はありません。ご了承ください。

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第2位は、大橋知沙さんの京都歩き案内本『京都のいいとこ。』です。ウェブ上でどんな観光の情報も得られる時代だからこそ、ちゃんと読み物として楽しめるガイドブックが、多くの方の手に取られる理由はよくわかります。

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第3位は、詩人、川柳作家の柳本々々さんとイラストレーターの安福望さんがタッグを組んだ、新しい日記のような一冊『バームクーヘンでわたしは眠った』です。11/19書まで店壁面にて、安福さんの原画展を開催しています。ミニ原画とのセットの販売も。ぜひ。

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第4位は、こちらも定番の一冊、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎さんの絵本『たぷの里』です。在庫僅かですが、サイン本もございます。

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第5位は、『永井宏散文集サンライト』。10/20朝刊の京都新聞で、こちらの本を紹介させていただきました。こちらのリンクからご覧いただけます。よろしければ、ご一読ください。

 

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第6位は、漫画家スケラッコさんの自費出版コミック『602号室、木の見える部屋』。木の見える風通しの良い団地に越してきた若い夫婦を描いたフルカラーコミック。この間、新婚の友人に贈ったところ、楽しく夫婦二人で読んでくれたようです。

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第7位は、長崎訓子さんの文学コミカライズ作品集『Catnappers猫文学漫画集』。庄司薫やブラッドベリをはじめ、メジャーなところでいうと、「金持ち父さん貧乏父さん」「チ-ズはどこへ消えた?」の装画も手がけていらっしゃいます。コミックと文学の交わりをお楽しみください。

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8位『100年後あなたもわたしもいない日に』。土門蘭さんの短歌、寺田マユミさんの絵。土門さんの新刊、戦争後の混乱期に翻弄された娼婦5人を書いた小説『戦争と五人の女』も入荷しています。

 

 

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9位は、山田稔さんの随想集『門司の幼少時代』。12歳までの幼少期を過ごした九州、門司の思い出を綴った一冊です。米寿を迎えた作家が、遠い記憶に思いを馳せ、何を書くのか。文章の、一文一文の美しさから、回想する景色がありありと目に浮かびます。ぽかん編集部刊、装丁も素晴らしい一冊です。

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11/16(土)17(日)の二日間、本書の刊行を記念した2日間のイベントを開催します。17日には山田稔さんをお招きしたトークイベントも。詳細とご予約はこちらのページから承ります。http://www.cottage-keibunsha.com/events/20191116/

 

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10位は、翻訳家・柴田元幸さんが責任編集をつとめる文芸誌『MONKEY』vol.18です。今号の特集は「サリンジャーニューヨーク」。1940年のデビュー作「いまどきの若者」を編集長の訳し下ろしで掲載。同年代の作家が戦争について文章を書くなか、自身若者であったサリンジャーが発表した本作は、時流に沿わないという判断で一度は掲載が見送られたそうです。そのあたりのエピソードも紹介された、さすがの編集感覚でまとめられた一号です。

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今月は以上です。また来月もお楽しみに!

(鎌田)

2019年9月書店売上ランキング

2019年9月の書籍売上ランキングをご紹介します。

 

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1位『高野文子「私」のバラけ方』高野文子 大竹昭子(カタリココ文庫)

2位『石の辞典』矢作ちはる 内田有美(雷鳥社)

3位『Catnappers 猫文学漫画集』長崎訓子(ナナロク社) 

4位『京都のいいとこ。』大橋知沙(朝日新聞出版)

5位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

6位『Spectator vol.44 ヒッピーの教科書』(エディトリアル・デパートメント)

7位『バームクーヘンでわたしは眠った』柳木々々 安福望(春陽堂書店)

8位『602号室、木の見える部屋』スケラッコ

9位『ニュージーランドではしゃぐ。』はしゃ

10位『岩田さん岩田聡はこんなことを話していた』岩田聡(ほぼ日)

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1位は、『高野文子「私」のバラけ方』です。表紙のふたり、みなさんにも馴染みがあることでしょう。文筆家・大竹昭子さんがホストとなってゲストとトークする朗読イベントから生まれたシリーズ「カタリココ文庫」より。2015年に「ポポタム」で開催されたお二人のトークイベントを再構成した一冊です。『黄色い本』から、10年以上の時を経て刊行された『ドミトリーともきんす』への大転換、漫画を描く上でのあれこれ。高野文子の「最近」を伝える2019年のオフトークも収録しています。

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2位は、生活館ミニギャラリーで内田有美さんの原画展を開催した『石の辞典』です。展示に際して、内田さんが制作された「鉱石のハンカチ」も在庫僅かですが、ご用意ございます。

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3位は、長崎訓子さんの『Catnappers猫文学漫画集』。ヴォネガット、ブラッドベリ、庄司薫、北山耕平などなど、これまでにも数多くの本を彩ってきた彼女が描く、文学漫画作品集第三弾のテーマは「猫」です。ルナール、サキ、更級日記から芥川、赤川次郎、筒井康隆。古今東西の猫文学を、彼女の感性で切り取り、コミカライズした一冊。

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9/29(日)には、刊行を記念してペット似顔絵会「あなたの猫、描きます」と、トーク&サイン会を開催しました。そちらの様子のレビューはこちらからどうぞ。

www.facebook.com

 

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4位は、大橋知沙さんの京都歩き案内本『京都のいいとこ』。この数年、移り変わりの激しい京都ですが、おそらく何年か後に読んでも面白い一冊です。人気につき、品薄でしたが追加が入荷しています。

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5位は、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎さんの絵本『たぷの里』です。7月発売ですが、累計で100冊以上手にとっていただいております。お相撲絵本に季節が関係あるかわかりませんが、これからの時期にもぜひ。

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6位は、雑誌『Spectator』のヒッピー特集。最近、久しぶりに会った人の誰とも「タランティーノ見た?」から会話が始まるような気がします。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の前後にぜひ。今後、出町座さんでも上映があるようです。

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7位は、詩人/川柳作家の柳本々々さんとイラストレーターの安福望さんによる新しい本『バームクーヘンでわたしは眠った』。以前当店でも人気だった、一風変わった会話辞典『きょうごめん行けないんだ』のタッグ再び。日々詠まれる句と綴られる文章。これは何だと言われれば、あたらしい形の日記です。

 

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8位は、漫画家・スケラッコさんの自費出版コミック『602号室、木の見える部屋』。なんと全編フルカラーでこのお値段。暮らしや部屋についての情報を提供するオンラインマガジンでの連載をまとめた一冊で、団地の一室に引っ越し、新たな生活を始める新婚の夫婦を描きます。間取り、ソファ、観葉植物。引越しをするひと、新たな暮らしが待っている人におすすめです。

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9位は、コミティア129にて発行されたはしゃさんの新刊『ニュージーランドではしゃぐ』です。10カ月におよぶニュージーランドでの生活の様子を描いた滞在記。同人誌やコミックにめっぽう強かった当店の姉妹店バンビオ店からの逆輸入コミック。バンビオ店はオンラインショップのみ、引き続き稼働しておりますので、ご興味がある方はこちらから。

www.keibunsha-bambio.com

 

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10位は、元任天堂社長の岩田聡さんのことばをまとめた『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた』です。ゲームという文化もこの数十年で大きく変わりました。ゲームの表現の幅はとても深い。

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いかがでしょうか。今月は以上です。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

真鍋奈央写真集『波を綴る』オリジナルプリント展

 

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書籍フロアでは、写真家、真鍋奈央さんの作品集『波を綴る』の刊行を記念した小さな写真展を開催中です。

18歳の時に初めて留学し、以来数年越しにくり返し訪れてきた、オアフ、マウイ、モロカイ、ビッグ・アイランドの4つのハワイの島々。本作は、それぞれの島の風景と繰り返される住み暮らす人々との十年来に及ぶ交流を、時系列ではなくその島ごとの写真群として4冊の冊子として構成し、それらを1冊の本としてまとめ上げた美しい一冊です。

 

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通っていた高校の恩師とその母や弟、その恋人、亡くなった友人の家族、人違いから付き合いが始まった一家、空港で偶然出会った老紳士や助けを借りた道行きの自動車整備店のオーナーなど、繋がりの中にある人々との交流や予期せぬ出会い、日系移民の子どもたちが辿ってきた体験や島に連綿と続く神事などの歴史的な側面、それらすべてを包むようなハワイ諸島の豊かな風と光あふれる風土。日本とのあいだをくり返し往還ながら、あくまで私的なパースからハワイの島々を描き出した写真群。

島の豊かさを感じさせる一葉ごとの美しさもさることながら、巻末に付された写真家自身によるキャプションが、被写体と写真家との間に存在するプライヴェートな愛着や安心に満ちた関係性、そこに流れた親密な時間を感じさせます。

 

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飯沢耕太郎氏や写真家の有元伸也さんらが選考委員を務める、奈良の入江泰吉記念奈良市写真美術館主催の写真賞を受賞し、一冊の本として世に出ることとなった本作。糸綴じした4冊の冊子を重ね貼りつけ1冊にした大胆な造本を、白地にオーシャンブルーの題字をプリントした函で包んだ美しいブックデザインは松本久木さん。

 

今回の展示では、本書に収められた写真より4点の作品のオリジナルプリントを展示。観光では出会うことのないパーソナルな手触りのハワイの空気を感じていただけるのではないかと思います。

そのオリジナル作品を入り口に、新たな写真家の記念すべきデビュー作をぜひ店頭で手にとってご覧ください。

 

■『波を綴る』真鍋奈央 (入江泰吉記念奈良市写真美術館)

 

 

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真鍋奈央写真集『波を綴る』オリジナルプリント展

2019年9月1日 – 9月23日 

恵文社一乗寺店 書籍フロア 壁面一角にて

 

 

(涌上)

 

2019年8月書店売上ランキング

 8月の書籍売上ランキングをご紹介します。

 

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1位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

 

2位『わたしを空腹にしないほうがいい』くどうれいん(BOOKNERD)

 

3位『漱石全集を買った日』山本善行清水裕也(夏葉社)

 

4位『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』(凸版印刷株式会社印刷博物館)

 

5位『100年後あなたもわたしもいない日に』土門蘭寺田マユミ(文鳥社)

 

6位『Spectator vol.44 ヒッピーの教科書』(エディトリアル・デパートメント)

 

7位『石の辞典』矢作ちはる内田有美(雷鳥社)

 

8位『岩田さん岩田聡はこんなことを話していた』岩田聡(ほぼ日)

 

9位『経営者の孤独。』土門蘭(ポプラ社)

 

10位『生きるように働く』ナカムラケンタ(ミシマ社)

 

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1位は、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎さん初の絵本『たぷの里』。夏休みということもあり、よく手にとっていただきました。ナナロク社さんに追加納品をお願いしたところ、「たぷみくじ」なる謎のものが送られてきました。メモには「使えそうなら使ってください」と。例えば、小吉には「冷ややっこに醤油をこう、ちょうどいい感じでかけられるそんな程度には良い日でしょう」と書いてあります。小さなお客さんとのコミュニケーションに絶大な力を誇ったこのおみくじ、枚数も減ってきました。ご希望の方はレジ前にて。

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2位は、盛岡の歌人、くどうれいんさんの『わたしを空腹にしないほうがいい』。恵文社では間違いなくこの一年で一番のロングセラー。作家と同じく盛岡の書店「BOOKNERD」が発行しています。

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3位は、夏葉社から『漱石全集を買った日』。8/18(日)には、イベントスペースにて著者のおふたりと夏葉社の島田さんの鼎談トークイベントを企画しました。Facebookにレビューをあげています。よろしければこちらをご覧ください。

 https://www.facebook.com/cottage.keibunsha.3/posts/2166864546756909

www.keibunsha-books.com

 

4位は、東京印刷博物館展示図録『天文学と印刷新たな世界像を求めて』。8/4(日)の只本屋さん、ANTENNAさんが企画したMTRL京都のイベント「TAKE OUT!」に出店した際にはこちらが一番人気でした。

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5位は、土門蘭さんの短歌と寺田マユミさん絵がマッチングした一冊『100年後あなたもわたしもいない日に』。MTRL京都でのイベントでは、文鳥社さんが隣だったのですが、土門さんがお客さんの本にサインと短歌を一緒に書いていたのが印象的でした。

 

6位は、雑誌『Spectator』のヒッピー特集。ビートニクの本よりも禅の本がよく一緒に手に取られる現象は今も続いています。どのお店もそうなんでしょうか?気になります。

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7位は、今まさに生活館で原画展を開催している『石の辞典』。内田さんの絵をあしらったハンカチも展示に合わせて販売しています。www.keibunsha-books.com

 

8位は、元任天堂社長の岩田聡さんのことばをまとめた『岩田さん』。京都といえば任天堂。まさしくDS、Wii世代だったこともあり、自然と惹かれる一冊でした。

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9位は、またも土門蘭さんが著者の『経営者の孤独。』。土門さんが往来堂の柳下さん、わざわざの平田さん、CAMPFIREの家入さんら10人の経営者にインタビューをした一冊です。

 

10位は、求人サイト「日本仕事百貨」代表のナカムラケンタさんの『生きるように働く』です。発売から一年が経とうとしているこの本がなぜ恵文社でいま売れているのか。それは「3BOOKS」という定例イベントを新たにナカムラさんと企画し、8/30(にそのプレイベントとしてキックオフミーティングを開催したからです。こちらの様子もFacebookにレビューを掲載しています。ぜひ。

https://facebook.com/cottage.keibunsha.3/posts/2179550925488271…

 

駆け足でしたが、今月は以上です。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

8/18(日)開催鼎談「『漱石全集を買った日』と、善行堂と夏葉社の10年」特典ペーパー制作中

トークイベント【『漱石全集を買った日』と、善行堂と夏葉社の10年】の開催にあたり、 いま、ある読み物を制作しています。

 

寄稿者は三人。いや、もうひとり。

 

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まずは、山本善行さん。ご存知、銀閣寺近くの古本屋「古書善行堂」のご主人です。

 

 

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二人目は、その善行さんと対談本『漱石全集を買った日』を上梓した清水裕也さん。清水さんは善行堂はじめ、関西圏を中心にあらゆる古書、新刊書店に顔を出す、ちょっと有名な「お客さん」です。Twitterアカウント名の「ゆずぽん」のほうがしっくりくる人も多いと思います。

 

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そして三人目は、その本を出版した夏葉社の島田潤一郎さん。昭和の名著の復刻など、「渋い」ラインナップを誇る個人出版社です。

 

まず、この古書店主とお客さんの対談本が読んで面白いということもありますが、縁にも恵まれて、この度お三方の鼎談トークイベントを開催することになりました。開催日は8月18日の日曜日。ちょうど一週間後です。ある読み物とは、このイベントで来場の方にプレゼントする特典ペーパーです。制作も佳境に入りましたので、宣伝させていただきます。

 

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恵文社スタッフの思いつきによって制作することになったこちらの特典。三人に寄稿を依頼したテーマは「十年」です。イベントタイトルにもあるように、善行堂、夏葉社ともに十周年を迎える本年にそれぞれの十年を振り返っていただく内容になりました。また、今回のイベント開催に至った縁について私も僭越ながら寄稿させていただきました。三人のファンにとっては邪魔なことこの上ないと存じますが、あたたかい目で見守っていただければ。それぞれの題は「十年を振り返って」「断捨離」「禿頭のぼく」「誇れない書店歴」です。お土産があるイベント企画をはじめてしましたが、良いものになると思います。どうぞお楽しみに。

 

上林暁の小説集など、幾度とタッグを組んできた善行さんと島田さん。少し年齢の離れたお二人の掛け合いは見ていて面白いと思います。今回は、そこにさらに年下の世代の清水さんが加わります。どんな鼎談になるでしょうか。読書、古書好きのみなさま、ぜひご参加ください。

 

(鎌田)

 

2019年8月18日(日)

『漱石全集を買った日』と、善行堂と夏葉社の10年 

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【日時】8月18日(日)18:00開演 (17:30開場)

【料金】1000円 特典ペーパー付

【ご予約方法】

・恵文社店頭まで(075-711-5919)

・ウェブご予約フォーム https://cotage.sakura.ne.jp/event_form/

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2019年7月書店売上ランキング

昨日、暑いですねと挨拶をした営業さんに、気が滅入るからやめてくれと笑いながら言われました。確かに、この数日は誰と話しても暑さの話題から会話がはじまります。郊外の住宅地にはつきものなのでしょうが、一乗寺の道には日陰があまりありません。夏、涼める場は貴重です。

 

だからというわけでもありませんが、ひとつご案内を。当店の奥、イベントスペース「COTTAGE」にて月、水、金と喫茶営業をはじめました。月曜日はもう何年も営業している「喫茶never on monday」、水曜日は8月から加わる、京都のデザインユニット午睡舎の「喫茶惰眠パーラー」。金曜日は、私、書店スタッフによるまだ屋号もなにもない喫茶です。月曜日の喫茶は8月中、おやすみするそうですが、夏の間、水曜日、金曜日は喫茶にて涼んでいただけます。本探しの合間に、ぜひ。

 

それでは、7月の書籍売上ランキングをご紹介します。

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1位『夜の木8刷』バッジュ・シャーム他(タムラ堂)

 

2位『日本発酵紀行』小倉ヒラク(D&DEPARTMENT PROJECT)

 

3位『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』(凸版印刷株式会社印刷博物館)

 

4位『Spectator vol44 ヒッピーの教科書』(エディトリアル・デパートメント)

 

5位『たぷの里』藤岡拓太郎(ナナロク社)

 

6位『京都のいいとこ。』大橋知沙(朝日新聞出版)

 

7位『てくてく青空登山』安西水丸(ミューレン編集部)

 

8位『彦坂木版工房作品集 旬』(彦坂木版工房)

 

9位『ホホホ座の反省文』山下賢二松本伸哉(ミシマ社)

 

10位『A Book Cat Dictionary』中西なちお(書肆サイコロ)

 

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1位は、南インドの出版社タラブックスの代表作『夜の木』。年々、その知名度を国内でもあげてきたタラブックスですが、もはや説明がいらないほどに人気が高まりました。製紙、印刷、製本に至るまですべて手作業でつくられるハンドメイド絵本。8刷の今回、当店入荷分はほぼ予約で完売してしまいました。当店では一時のブームにならぬよう、これからも丁寧に販売していきたいと思います。誤解されがちですが、タラブックスには、民族画やハンドメイドの本ばかりではなく、リソグラフやオフセットにも良い作品が多数あります。ぜひ、出版物の多様性にも注目されてみてはいかがでしょうか。

 

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2位は、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんの『日本発酵紀行』です。7/19(金)には、ヒラクさんをお招きしたトークイベントを開催しました。今回の新刊は、日本全国47都道府県の発酵文化をリサーチするために敢行された8ヶ月に及ぶ旅の記録です。酒、醤油、味噌をはじめ、名前を聞いたこともないような発酵食とそれにまつわるローカリティや歴史について語っていただきました。かつての基幹産業でもあった発酵食にまつわる産業が、経済や海運、保険や金融にも影響を与えていたという壮大な話を、流れるように解説。あっという間の2時間となりました。ヒラクさんのトークはやっぱり面白い。

 

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3位は、この数ヶ月手に取られ続けている展覧会図録『天文学と印刷新たな世界像を求めて展覧会図録』。一時的に品切れていましたが、再入荷しました。

 

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4位は、雑誌『Spectator』の最新号。「Whole Earth Catalogue」や「宝島」などの雑誌の系譜にある本誌ですが、ついに真正面からのヒッピー特集です。戦争、ロック、ビートニク、禅。コミックや人物帖などを手段にわかりやすく解説されています。書店内にて、関連書籍をまわりに並べたフェアを展開中。意外にも一緒に手に取られる本は禅について書かれたものが多い印象です。

 

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5位は、ギャグ漫画家・藤岡拓太郎、初の絵本『たぷの里』。坊主頭の少年と真剣な眼差しを向ける力士が登場するユーモア溢れる絵本。レジ横の絵本売り場からよく笑い声が聞こえます。昨日、サイン本が追加入荷しました。

 

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6位は、大橋知沙さんの『京都のいいとこ。』。老舗から新しい店まで、何かと使い勝手が良い一冊です。著者の目線が存分に感じることができます。人気のため、現在品薄。

 

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7位は、安西水丸『てくてく青空登山』。こちらも発売以来長く人気です。当店では幅広い年代の手に取られている一冊。

 

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8位は、彦坂木版工房さんの5年ぶりの最新作品集『旬』。JA兵庫六甲の会報誌で描かれた、野菜や果物のイラストをまとめた一冊です。日本の伝統工芸でもある木版画の技術を用いて描かれた野菜たちはどれもみずみずしく、夏にながめていると涼しげです。

 

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9位は、同じ左京区の店ホホホ座さんが著者となった一冊『ホホホ座の反省文』。山下さんの『ガケ書房の頃』もそうでしたが、意外に恵文社でもよく手に取られています。

 

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10位は、「旅するレストラン」主宰のトラネコボンボン・中西なちおさんによる猫の英語辞典『A Book Cat Dictionary』。造本も美しい一冊。こちらも品薄でしたが、再入荷しました。

 

いかがでしたでしょうか。

今月は以上です。また来月もお楽しみに。

 

(鎌田)

『大人ごはん』vol.3 刊行記念ブックフェアのお知らせ

 

 

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「食」を通して、なんでもない日々を見直す小さな雑誌『大人ごはん』。

第3号の刊行を記念し、現在書籍フロアにてブックフェアを開催しています。今号の特集は「ひとりの時間を考える」「小豆島で農村歌舞伎を観てきました」の二本立て。

 

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「日々の暮らしは、盛んに報道されるセンセーショナルな事件、ドラマチックな愛憎劇、大文字の政治経済、美しくおしゃれに整えられた暮しとは程遠く、もっと雑多で、淡々としたものの積み重ねでできています」(巻頭のことばより)

そう語る編集長・室谷明津子の気の向くまま足の向くままに出会った、なんでもない日々を暮らす人々への取材、エッセイを収録した一冊。

 

第一特集「ひとりの時間を考える」では、植本一子、ツレヅレハナコ、高橋順子によるそれぞれの「ひとりでの食事で見えてくるもの」を紹介。パートナーを亡くしたあとのごはんの時間、或いは日々の密かな楽しみであるひとり晩酌の時間…。ひとりの時間は孤独である、という凝固したイメージにとらわれることなく、ありのままに時間と向き合う大切さや底知れない愉しさについて語ります。お酒に合う絶品おつまみレシピの紹介も。

 

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第二特集は「小豆島で農村歌舞伎を観てきました」。小豆島で暮らす島人たちの、島人たちによる、江戸時代より続いている娯楽「農村歌舞伎」と、賄い・おもてなしの「わりごう弁当」について。舞台の裏側や村の暮らしを見つめ、文化とコミュニティの関わりについて考えます。

 

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また、ラテンアメリカ文学者の旦敬介と門内ユキエ夫妻によるアフロ・ブラジル料理について追求した「何食べて生きてく?」のコーナーや、『メタモルフォーゼの縁側』作者の鶴谷香央理による漫画エッセイ「元気が出るもの」などなど、淡々と流れゆく日々にそっと寄り添ってくれるおいしい小咄をたっぷりと詰め込んだ一冊です。 

読み進めていくうちにきっと、味わい深いお酒と肴を求め、自然と台所へ足が向かうはず。

 

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また今回の『大人ごはん』第3号の刊行に併せ、ひとりの時間にじっくりと向き合ってくれるレシピを収録した書籍なども同時展開。ご来店の際に、ぜひお楽しみください。

 

 

www.keibunsha-books.com

 

 

『大人ごはん』vol.3 刊行記念ブックフェア

2019年7月16日 – 8月31日

恵文社一乗寺店 書籍フロアにて

 

(韓)