第二十五回 インキョカフェさん

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わざわざ遠方からお越しいただくお客様のために、当店の帰りにふらりと寄ることの出来る周辺のお店をご紹介。カフェから洋服屋、定食屋にディープなスポットまで、一乗寺ロコ(地元民)しか知らない情報を取材形式でお届けいたします。
まだ夏真っ盛りの暑い季節、一乗寺にまた新しいカフェができたらしい...という噂がながれてきました。一乗寺の駅からすぐ東へ、おなじ曼殊院道沿いなので当店からは徒歩4分ほどの距離にあるインキョカフェさん。大きな窓ガラスからのぞくお店は、これまでのカフェとはまたひと味違う雰囲気が漂います。

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inkyosan店主の院去さん。帽子がお似合いです。

-まずはじめに...オープンされてからどれくらいになるのでしょうか?

(以下「」内は店主の院去さん)

「今年の9月3日のオープンになります。なので3ヶ月ちょっと経ちました。今年の6月に京都へ引っ越してきてから、開店準備に追われつつの忙しい日々で。。。」

-ようやく落ち着いてきた感じですね。店名の由来ってなんだろう?と思っていたので、ぜひ伺おうと決めてたのですが、お名前だったんですね。隠居した雰囲気のカフェ?かとばかり思ってました。失礼しました(笑)
「前に大阪の茨木でお店をやっていたときは違う屋号やったんですけど、京都に移転してくるということで新しい屋号を...と考えているうちに、最終的に半ば冗談みたいな感じで珍しい名字をカタカナに…、それでインキョカフェと。茨木のお店はいまとはまた違った夜の雰囲気のバーで、古くからあった店をそのまま受け継いだかんじのところやったんです。」

- なるほど。なぜ一乗寺という場所を選ばれたんですか?
「昔、京都で仕事をしていたときにこの辺りに得意先があったり、詩仙堂にふらりと散歩に行くことがあったり、学生時代も京都だったので。京都、左京区にあこがれなんかもあって。お店を始めるにあたっては色々と物件を探していたんですけど、たまたまここの物件が空いてたんです。気には留めていたんですけど、駅から近いし家賃が高いんやろうなーと…。でも聞いてみるとじつは意外と安くて、それで最終的にこの場所に決めたんです。」

inkyo2 inkyo3(左)お店の目印の看板、イラストはharunachikoさんによるもの。ギター弾きの恋みたいでかわいらしい。(右)広くてゆったりした店内には、のんびりとくつろげる一人掛けソファーや書きものもできるテーブル席も。

- 何か縁があったということかもしれませんね。お店も、この辺りの雰囲気にすっかり溶け込んでいる感じがします。
「お客さんも、ご近所の主婦のかたとか、おばあちゃんとか…地域の活動をされている年配の方が集会のあとでコーヒー飲みにこられたりしますよ。でも窓が大きいから、近所の人に丸見えで恥ずかしいわー、と言われることもあります(笑)。」

- そのおばちゃんの気持ちわかります。でも、馴染みの喫茶店みたいに利用されるのってやっぱり良いですね。お店のメニューはどんな感じなんでしょう?
「ランチのセットが二種類、金曜から一週間の週変わりで。いつも家内が作っているんです。ランチのパンは、実はあるカフェの店長さんの手作りで天然酵母、女性にはやっぱりパンが人気ですね。ケーキも出したいんですけど、一歳半になる子どもがいるので、夫婦だけだとまだなかなか手が回らなくて。もう少しゆとりができたら、いろいろとメニューも増やしたいなと考えてます。最初は、モーニングもやろう!と意気込んでたんですけど…(笑)。 夜はおつまみメニューと、シングルモルトやウイスキーなんかも揃ってます。チャージはないので、学生さんたちにも来てほしいですねえ。もちろん喫茶店としてコーヒー飲みにこられても大歓迎です。」

inkyo4 inkyo5(左)店内を柔らかな光に包み込んでくれるのは、ひとつひとつ表情の違うペンダントランプ。(右)週変わりのランチメニュー。今日はミートローフとチキンソテーの2種から。パンとスープ、ドリンク付きで850円の満腹ごはんです。

- 夜の11時まで営業されているということは、うちのスタッフも一杯飲んで帰れますね、きっと一杯だけでは帰らないのだろうけど(笑)。コーヒーカップもレトロで可愛らしいですね、ひとつずつ絵柄も違って。生活館にも置いてありそうな感じのカップです。
「ひとむかし前、昭和のビンテージカップなんかが多いですね。あ、NIPPONTOKI、これはノリタケの前身のものじゃなかったかな。ほかは、NARUTO、yamariの刻印ですね。やっぱり日常使いできて、なおかつかわいいものを。お店をはじめるときから、家具も、ランプも、カップも、一個一個ばらばらで統一感がないほうがおもしろいというコンセプトがあったんです。 」

- たしかに納得です。この店内のインテリアもひとつひとつ選ばれたんですか?なんだか店内が落ち着いていて、すっかり長居してしまいそうなんですが...。
「家具はアメリカとか、ヨーロッパのものが中心です。あそこにあるミシン台のテーブルなんかは近所の葡萄ハウスさんで購入しました。じつは、店内の内装も家内と相談しながらいろいろと考えて設計したものなんです。もともと家内は店舗設計の仕事をしていたんですけど、新しくお店を開くということで心機一転、今はこの店を一緒にやることになって。女の子にもたくさん来店してほしいということで、家内はお手洗いの内装にもかなり力を入れてるんですよ(笑)。」

- えっ、お手洗い??(お手洗いに移動して…)すごーい、天井から床までかわいいですねぇ。この壁面に描かれているイラストは?
「京都で活動されているharunachikoさんがたまたま家内の知り合いだったんですね。それで彼女に依頼して、ロゴをデザインしてもらったんです。お店のロゴもデザインしていただきました。文化博物館前のビルにアトリエを構えていらっしゃるんですよ。」

inkyo6 inkyo7(左)京都市内で仕入れている自家焙煎珈琲と、奥さまお手製の生チョコ。 図柄のかわいらしいビンテージカップとともに。(右)店内にはもちろん本棚スペースも。古くて大きな棚に、当店でお買い上げいただいた絵本も並びます。これからもますます本が増えていいきそうな予感。

- お店の外側にも、harunachikoさんの大きなイラストが描かれてますよね。インパクトあります。ギターを抱えたおじさんのロゴはやっぱり音楽も楽しめるという雰囲気ですね、ジャズも流れていて。やっぱりそのあたり、お好きなんでしょうか?
「ブルースが好きなんです。70年代くらいには京大の西部講堂とか、銀閣寺の周辺にブルースのライブハウスがたくさんあったらしいんです。その時代に青春をむかえていた、今の50代くらいの方々はもうブルースに詳しい方が多くて、毎晩のように盛り上がっていたらしいんですよ~。ウエスト・ロード・ブルース・バンドとか、憂歌団とかの有名グループがたくさん。」

- このお店にも、そんなブルース熱狂時代を過ごした方が来られることはあります?
「はい、なんでブルースかけとんねんと言われたりすることもたまに(笑)。ひそかに、ここにもそんなブルース好きの人が集まったり、いずれはライブなんかもできたらいいなあと思うんですけどね。ぼくはブルースの師匠に色々と教えてもらいました。もちろんジャズの師匠もひとりいますよ。」

- それはちょっとびくっとしますね。。でも、そうやって人から人へ繋がっていくようなものはおもしろいですね。そんな師弟関係には憧れます。懐かしい話を聞きながら、新しいことが生まれていくような。このお店がそんな場所になるのも遠くないかもしれませんね。
「そうなると、嬉しいですね。」

- それでは最後に、メルマガ読者の方々にひと言お願いします。
「えぇーと…うちの店に来られたときには、肩肘張らずにのんびりと過ごしてほしいですね。」

- はい、のんびりさせていただきます!ありがとうございました。

ご夫婦二人で、せっせとお店を切り盛りされるインキョカフェさん。カウンター内での息の合った仕事ぶりが、すこしうらやましくも感じたのでした。ランチをいただきに訪れたある日のこと、店内のテレビにはビル・エヴァンスのインタビュー&ピアノ演奏の映像が流れ、それを観ながら時おり会話をするお客さんと院去さんの姿。ほどよい距離から生まれる小さなやりとりに、このお店の居心地のよさを実感しました。これからの変化もますます楽しみなお店です。年末年始も、元日をのぞきほぼ営業される予定とのこと。叡山電車でお越しの際はぜひ、駅から東へもどうぞ。

(新谷、菊田)

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■メニュー
お昼:週変わりのランチセット(パンorご飯、サラダ、スープ、ドリンク付き)2種 850円
生チョコ 300円 / コーヒーHOT 350円 / ラテ 400円 ほか
夜:琥珀エビス樽生 600円
  グラスワイン(オーガニック) 400円
  ウイスキー各種、バーボン、カクテル 500円~
  ハム&ソーセージ 500円~
  おつまみ各種 300円~ ほか
(バータイムはチャージ無し、コーヒーなどお茶もいただけます!)

インキョカフェ
〒606-8117 京都市左京区一乗寺里の前町5
TEL&FAX 075-724-2341
営業時間 12時~14時半、18時~23時
定休日 木曜