第二十三回 ガケ書房さん(後編)

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※移転しました→新店舗:ホホホ座

「まさか恵文社がガケと!」という驚きの反響も(たぶん)多数ありだった前回に引き続き待望の完結編。 相手が同業者だと割と真面目な話になりがちですね。普段お届けすることの少ない本屋業界トーク、お楽しみ下さい。

前回の続き ↓

-蒐集とか、所有欲ってあります?

(以下「」内はガケ書房のオーナー 山下さん)

「あんまり無いですね。最近は古本ばっかり買っているんですけど、痛んでたって読めれば全然問題ないです。好きなものには、バラエティ・ブックとかアンソロジーとか対談集とかそういうのが多いですね。」

- そういう趣味はガケさんの品揃えにも反映されていますかね?
「商品構成はもう少し幅広いですね。セレクトショップとかよく言われますけど、僕は自分の店のことを『究極の普通の本屋』って言う風に認識してるんです。本の場合たまたま取次ぎがあって配本があるからウチみたいな店が特殊な風に思われますけど、洋服屋さんにしても雑貨にしても、商品選んでもらって送ってもらう業種なんてほかに無いですよね。でもそういう普通の店をセレクトショップとはいわないし。」

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左:堀部(左)と山下店長(右)
右:レトロな食品用冷蔵庫にディスプレイ。店内の雰囲気に馴染んでます。

- 不思議なシステムですよね。返品できるからこそ商品構成の自由度は保てるんだけど、洋書にしても自分で選ばなくて送ってもらったものをちゃんと売り手がお客さんに伝えられるとは思えないし、それですぐ返品できるようなリスクの無さではバイヤーが育ちませんよね。だから洋書でも見計らい的なシステムはすでに崩壊しつつあります。
「それでもやっぱり特殊な店だととらえられている向きはありますね。色んなお客様がこられますけど、制服着た高校生とか、お子さんとかは全然来ないですね。お母さんに連れられた園児とかは来ますけど。」

- 店内ってかなりオリジナルな仕掛けというか工夫がたくさんありますよね。ギターが弾けたりとか、ポップ書けたりとか、自分の古本を売れたりとか。これは反応良かったなとか、これはあんまりだったなとか、感じますか?
「やっぱり、そんな皆さんすぐには食いつかれないですね。このお客さんが注文して本棚を作れるっていうシステムは結構長いこと続けてるんで大分定着してきましたね。でもだんだん漫画が増えてきて(笑)」

- 小説をみっちり読んで、キャプションをびっしり書くような人は少ないですか。
「昔は棚を一本空けて、お客さんが店内の商品を移動してきてその棚を作っていくっていうのもやってたんですけど、僕も何がどこにあるのかわからなくなっちゃって、それは結局続いてないんですけどね。襟を正すというよりも、気持ちを開放できるような場所にしたいんです。身近にいる人の反応が自分にとって一番大事なので、家族とか身近にいる人が面白がったり喜んでくれるような店作りをめざしています。」

gake9 gake10左:映画のスチール写真など。ひっかきまわしてドリフターズ「ズンドコ丸」写真を入手。
右:店外のベランダにいるというマスコットのカメ。「カメの取材が一番うれしい」と山下さん。

- イベントも結構やってますよね。
「そうですね。最近は結構受身というか、いただいたお話からっていうのが多いんですけど。」

- 持ち込みとかもたくさんあるでしょう。やっぱり全部置くわけには行かないし、断られるのとか大変なんじゃないですか?
「例えばそれがあんまりウチ向きじゃなかった場合でも、どこかいいところを見つけて、こっちから提案したりして新しい物を作ってもらったりすることもありますね。もともと自分は作る側(*1)でもあって、持ち込みなんかも随分してきたんでやっぱり気持ちがそっち側になって考えてしまいますね」

- 一件一件っていうのはなかなかウチでは出来ていないことですね。ところでCDのセレクトなんかも含めて、ガケさんって雰囲気的に男っぽいなあと思うところもあるんですけど、意識されているんでしょうか。
「オープニング当初は柔道部の部室かって位男臭かったんですけど、2、3年と続けて行くうちにスタッフが手伝うようになってくれたり、自分だけのキャパでやっているわけじゃなくなってきて段々雰囲気は変わってきましたね。女性のお客様も増えましたし。」

- 商品構成もちゃんと見てると生活系の物もしっかり置いてるし、実はあんまり濃い商品ばっかりでもないんですよね。
「そうですね、コンセプトとしては人のうちの本棚みたいな感じをめざしていますね。ウチって大体置いても1タイトルにつき1冊から3冊くらいだし、人のうちの本棚をみて面白がってもらえる感じがいいなと。店対個人というよりも、個人対個人で伝えられるような、僕が出来ることってそういう小さなところかなと思ってます」

- なるほど、当たり前のことの様でこれから益々貴重な存在になって行くのではないでしょうか。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
「ありがとうございました」

*1 山下さんが編集発行されていたリトルプレス『ハイキーン』はガケ書房のルーツ。第四号がガケ書房オープン告知のフリーペーパーとなっている。

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※移転しました→新店舗:ホホホ座

ホホホ座浄土寺店
〒606-8412 京都市左京区浄土寺馬場町71 ハイネストビル1階・2階
1階(書籍・雑貨)
営業時間 11:00~20:00(無休) / TEL 075-741-6501
2階(古書・雑貨)
営業時間 11:30~19:00(不定休) / TEL 075-771-9833