第十四回 「LINNET」さん

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わざわざ遠方からお越しいただくお客様のために、当店の帰りにふらりと寄 ることの出来る周辺のお店をご紹介。カフェから洋服屋、定食屋にディープなスポットまで、一乗寺ロコ(地元民)しか知らない情報を取材形式でお届けいたします。

今回は中京区まで足を伸ばし、リネンラヴァーズの聖地ともいうべき「LINNET」さんへ行って参りました。イラストレーターであり、布作家でもある前田まゆみさんが選ぶリネンや雑貨が買えるほか、洋裁や手芸をこよなく愛する人たちをサポートしてくれる洋裁店でもあるのです。

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左から店主の前田まゆみさん、前田怜嗣さん、スタッフの古川さん、中西さん

- 最初はオンラインショップだけだったとお聞きしましたが、いつ頃どういうきっかけで始められたのですか?

( 以下、「」内はLINNET店主、前田まゆみさん )

「『リネンが好き』(2002年 文化出版局刊)(*1)という本を出版したのがきっかけです。その当時はあまりリネンを販売している生地屋さんが無かったんです。本を書いたはいいけど、なかなか売ってないというのはどうかしらと思ってインターネットで扱い始めたんです。身内に手伝ってもらって1年くらい続けたんですが、自宅で作業することに限界を感じて店舗を作ることなりました。もともと店を持ちたいという気持ちでやっていたわけではなくて、気が付いたらこうなったという感じなんです。店舗をスタートした頃は、作業したり撮影したりするスペースにしようと思っていたので、店というよりアトリエのようなつもりでした。」

- オンラインショップではかなり反響があったんですよね。
「確かに最初はリネンを売っているお店が少ない事もあって、反響は大きかったんです。主人のほうがやる気になって一緒に会社を立ち上げようという話になったのですが、私は心配でかなり反対したんですよ~。今はいいけどこの先やっていけるのか不安、というのもあるでしょう。それはもう激しく喧嘩したりして。でも、おかげさまで今はLINNETをはじめて良かったと私も思います。」

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(左)すっきりとした白い内装の建物。玄関には前田さんが植えた大きな鉢植えの植物が並んでいます。アジサイが綺麗です。(右)店頭に並んでいるリネン。まだまだ種類があり、見本帳を見て選ぶことも可能。

- まゆみさんはもともとイラストレーターですよね。ガーデニングのお仕事をされていたこともあるし、色々なお仕事をされてきましたね。そういう中で、なぜリネンの本を書くことになったんですか?

「個人的にリネンが好きだったんです。リネンのもとになるフラックス(*2)という花があるのですが、調べてもあまりよく分からないんです。それで逆にハマってしまって洋書を読んで調べたりしていました。そんな時、主人がよく行くバーでFLAX畑の話をしていたら、たまたまお客さんにリネン専門商社の方がいらっしゃったんです。「興味があるなら、ベルギーのリネンミュージアムに行かれては?」という話になって、フランスのノルマンディーへ畑を見に行ったり、リネン工場や実際に生活にリネンを使用されているお宅へおしかけたり、色々な方にお話を伺ったり文献を読んだりしているうちに色々な事がわかったんです。それで一冊の本にしたいなあと思いました。」

(ここでLINNET社長・前田怜嗣さんが登場)

怜嗣さん「そのバーってね、四条あたりの四富会館(よんとみかいかん)(*3)なんですよ。あそこでよく飲んでました。そこでANTIQUE belle(*4)さんとか、柳野(*5)さんとか、たかはし(*6)のご主人とかも常連でよく飲みに来てたんですよ。」

「主人はそういう若い人達からお店をやるぞ!っていう刺激を受けたみたいですね。町に出よう!みたいな感覚があって」

- ご主人は普段お店に出られませんが、まゆみさんもいらっしゃらない時はスタッフの方が接客されているのですか?洋裁や編み物が出来る方でないと難しいですよね。
「もともと洋裁とかが出来る人に限っているわけではないんです。洋裁や編み物ができるスタッフもいるのですが、事務処理とかもちゃんと出来るという感じで…実は今スタッフ募集中なんですよ。」

- ご主人はいつもは店に立たれていませんが、バックヤードでスタッフの女の子達と楽しそう~にしてる声は聞こえてますよね。キャッッキャ聞こえる。社長~とか言われたりして(笑)いいですよね。
怜嗣さん「あ~言わせているわけではないのに!!なんだかムカつくなあ(笑)」

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(左)リネンで作ったトートバッグやお裁縫以外にも使えそうな紐やリボン、雑貨など。(右)赤ちゃん用ベッドにディスプレイされた布小物。ガーリーラウンジさんの靴もここで試着し、オーダーすることが出来ます。

- 皆さん仲がいいんですね!店舗では色々と相談に乗っていただけるようですね。この服を作るには生地がどのくらい必要だとか。
「テーブルでゆっくりご相談できるようになっています。ネットに掲載しているものも実物を見てもらえるし、サンプル帳もご覧いただけます。お電話やメールでも受け付けています。」

- 店内には生地の他にお洋服、お裁縫道具や雑貨も販売されていますね。
「最初はリネンと、リネンで作った雑貨を半分ずつくらいの割合で販売していました。そのうち洋裁のほうに気分が向いていきました。私の母親が洋裁店をしていたこともあって、仕事を見ていたからというのもあるでしょうね。子どもの頃に母親に生地屋に連れていかれたんです。でも正直あまり可愛いものが無いなって思ってました。お洋服屋さんには沢山可愛い生地を使ったお洋服が並んでいるのに、生地屋さんには無い。もっと雑貨屋さんとかお洋服屋さんみたいに、本当にほしいようなものが置いてある生地屋さんがあってもいいなと思いました」

- 分かります。ここは自分も洋裁が出来たら使ってみたい!と思うものばかりですよね。なかなか難しいですが。
「フルで働いている方にとっては、なかなかそんな時間ありませんよね~。」

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店内随所に見られる細やかなディスプレイ。真似したくなります。

- リネンはどこの国のものが多いんですか?
「最初は90%ベルギーから輸入していました。自分達が考えたものを作れるような時代になったので、今は日本製が多くなりました。リネンの糸を仕入れて日本で織るというやり方が増えていますね。リネンを売るだけでなく、文化を紹介したいという気持ちもあるので、リトアニア、ベルギー、イタリアなどからも仕入れています。」

- 最後に恒例の質問ですが、メルマガの読者の方々に一言いただけますか。
「この姉小路界隈は手作り店エリアになりつつあるんです。まずビーズのidola(*7)さん、糸屋さんのアヴリルさん(*8)、ちょっと離れているけど三条室町のBOBBIN ROBBIN(*9)さんなど。あとはcafe kocsi(*10)さん、ANTIQUE belleさん、柳野さんもお近くですので是非いらしてください。皆さまこれからもよろしくお願い致します」

ご多忙の中、朝からゆったりとお話をさせていただきました。お店にお邪魔するといつも楽しそうな声が聞こえます。前田さんやスタッフの方々の接客はとても丁寧で、優しい気持ちにさせてくれます。落ち着いた雰囲気で、大きなテーブルでゆっくりと相談に乗っていただけますので、是非店舗のほうへも足をのばしてみてください。洋裁好きの方なら、近くにあれば通ってしまうのではないでしょうか。

(椹木)

*1 2002年、文化出版局より刊行。一般的に言われる「麻」と「リネン」の違いからリネン作りの工程、使い方や布小物の作り方などを教えるエッセイ。
*2 6月初旬頃に咲く青い花。リネンはこの草からとれる繊維で作られています。
*3 新宿ゴールデン街のような飲み屋が集まったビル。前田怜嗣さんの説明によると、女性が一人で経営できるようにというコンセプトで作られているので、坪数が狭いという。 京都市中京区富小路通り四条上る西大文字町615
*4 センスの良いヴィンテージの器やインテリアなどを販売するお店。 http://antiquebelle.com/ *5 隠れ家的バー。 京都市中京区姉小路寺町西入ル ※小さいお店なので大人数で訪れるには不向きです。1~2人でこっそり行くタイプのお店です。
*6 四条高倉を下がったところにある隠れ家的バー。うまい魚、そば、日本酒が楽しめる。※小さいお店なので大人数で訪れるには不向きです。1~2人でこっそり行くタイプのお店です。
*7 ボタン・ビーズを中心にした手作りのパーツを販売するお店。 http://www.idola-kyoto.com/ *8 糸屋さん。大正5年に銀行として建てられた建物「SACRAビル」2F。
http://avril-yarn.jugem.jp/
*9 ヴィンテージの生地や手作りにまつわる雑貨、ユーズドクロージングなど幅広く扱う雑貨店。 
http://bobrob.jugem.jp/
*10 人気カフェ。現在は喫茶のみ。 京都市中京区姉小路通富小路東入ル 黄瀬ビル2F

lin05 ■おすすめの一品

万能バサミ (小)4410円 (大)4725円
→刃物屋さん御用達の職人さんがつくっているもの。お裁縫道具類もこだわってセレクトされています。
リネンのリリアン糸 1480円

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LINNET

〒604-8102
京都市上京区姉小路富小路西入菊屋町562 森口ビル1F奥
TEL 075-257-1128
営業時間 12時~18時
定休日 日曜

http://www.lin-net.com/