第六回 「屯風(とんぷう)」さん

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二週お休みをいただきました人気(?)コーナーがついに復活!今回は一乗寺から少し足を伸ばし、百万遍まで。当店スタッフの飲み会も開催したことのある店長行きつけのお店屯風まで、仕事帰りにぶらりお話を訊きに伺いました。いよいよ太田和彦の居酒屋紀行に近づいてまいりました・・。

今回は、百万遍に店が移る前からずっと行きつけにしていたご飯やさん屯風 。お酒や肴がおいしいのはもちろん、10年近い間店を変えながらも常連さんが尽きない秘密は、酔っ払いをあしらい続けて数十年、店主のイイ人柄(キャラクタ ー)にもあります。張り切ってインタビューを始めたもののいつもの調子で話は脇道にそれ、夜は深く深くふけていくのでした。

※移転しました→新店舗:屯風

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店主 とんぺいさん

- 飲食店を志すきっかけって何だったんですか?
( 以下、「」内は屯風店主、とんぺいさん )

「18の時に当時白川の別当町にあったモログチ亭っていうレストランでバイトしてたんです。そこのコックが「誰がカバやねんロックンロールショー」(*1) のドラマーで(笑)。で、ライブとかで店空けるからって「じゃあ、お前明日から料理出して」とか突然言われて。とにかく洋食の基本みたいなのをそこで見よう見まねで覚えました。」

- ほんやら洞で働いていたのはいつ頃ですか?
「そこやめてすぐ、19の頃かな?僕が入ったころにいきなり甲斐さん(*2) が色々あって店を追い出されて。でシチューとかメニュー考えて勝手に作ってたんですよ。それでほぼ共同経営みたいなことになり出して、30万円出して有限会社にしたりしてお店のノウハウをそこで学んだ感じですね。しばらくやり続けてると、(共同経営の)二人とも家族ができてくるんですよね。 最初のうちはそこそこ給料ももらえたんだけど、二家族を一つの店で養うのは厳しくなってきたのでそろそろ独立しようかと。で、一乗寺に屯風(*3) を出した訳です。」

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(左)今宵のばんごはん定食その1。ハマチのかま焼きに茄子とかしわの南蛮漬け、ごはんにお味噌汁。これで850円。採算はとれるんですか~?
(右)今宵のばんごはん定食その2。お造り盛り合わせはサーモン、ホタテ、とびうおにアジ。新鮮で美味しい。キングサーモンの塩焼き、ごはん、味噌汁もついて1200円。定食はご飯のおかわり自由。

- 一乗寺ではどれくらい?
「結局3年ですね。それからまた色々あって、しばらく店を畳んでいたんです けど、惑星アオイというお店を手伝うことになって、そこはもうある意味伝説とも言えるとんでもないお店だったんですけど色々あってすぐに閉店して。でも、それがきっかけでまたお店を再開しようと。それでこの場所にオープンしたのが2年前。」

- よく色々ありますよね(笑)。今のお客さん層ってどんな感じですか?
「京大生も多いし、なんやかんや何かをされている方とか、個性的なお客さんが多いですね。関美穂子(*4)さんとかもある日ふらっと現れて、呑みつぶれて寝てしまったんですよ(笑)。あとは街頭で踊っているダンサーもいるし、ロック自身男(*5)とか、恵文社の店長も来るし、自己主張の強い京大生とかね。なんか独立心旺盛というべきか、変わったヤツは多いですね。 そういうのを集めてサンデーミュージアム(*6)とかバーベキューパーティーを開催したり色々とイベントごともやってます。」

- 昔っからですけどどうしてまわりにちょっとヘンな子が集まるんでしょうね?
「エキセントリックなものを尊ぶという気質があるんでしょうね。あれはも う数十年前僕が未だ若かった頃、非常階段(*7)というバンドのライブがあったんです。過激なパフォーマンスがある種の都市伝説になっていて、どうも裸の女がステージで脱糞するという噂が流れて。それで色めき立って会場に足を運ぶと、いきなりステージから豚骨を投げつけられたんです!その時はとにかくショックを受けましてね。固定観念を破壊されるというか、コペルニクス的転換が生じて今に至るという訳なんです。」

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(左)木のテーブルやスツールも可愛い。友人の応本さんの作品。その他ライトや、壁に飾られている絵もご友人の作品だとか。「友人の作ったものに囲まれているのがすきなんです」ととんぺいさん。そういえばコースターも関美穂子さんデザイン。
(右)40種類以上あるという焼酎の瓶がずらりと並ぶ様は壮観。今夜のお薦めは芋焼酎「平蔵」(定価400円)

- それは何年頃のお話ですか?
「僕が19歳のころだから1980年かな。パンクリアルタイム世代なんだけど、どっちかっていうと第一次シラケ世代とかに近かったんで。愛聴していたのはオリジナルパンクじゃなくて、その後に出てきたいわゆるネオアコ、チェ リー・レッドのマリン・ガールズ(*8)とかペイル・ファウンテンズとかそっちにとにかく感動しましたね。最近では音楽聴いてビシバシ来ることも少ないですけど、あの頃店でそういうのを編集したテープとかずっとかけててね」

- それって輸入盤で買われてたんですか。
「いや、当時は京都にも貸しレコード屋がたくさんあったんですよ。そこに僕(しもべ)を送り込んでですね、仕入れさせる訳ですよ、僕が聴きたいレコードを。で熱心に曲順とか決めて、今でいうDJのハシリみたいなことをしてたんですね。」

- ジャニスでアズテック・カメラとかを借りてたフリッパーズギターと同じことをしていたんですね、その10年前に(笑)。話は変わりますが、お店のセールスポイントを。
「やっぱり魚ですかね。「マイウェイ」という凄い名前の魚屋からかなり鮮度の高いものを仕入れていますので。お酒はやっぱり焼酎ですかね。かなり厳選して40種類くらい常時置いてます。」

- じゃあ最後にメルマガ読者さまにメッセージを。
「とりあえず何時間もいるのはやめてくれと(笑)。開店から閉店までずーっといるヤツとかも多いんです。平均滞在時間が4時間とか。あと可愛いお姉ちゃんは大歓迎です、男に強く女に弱いがモットーなので。」

一乗寺にある頃から通い続けてきたお店だけに、常日頃こんな話はしょっちゅうな訳ですが、今回初めて非常階段豚骨伝説を皆さんにお伝えできること が出来て非常に満足しております。カウンターの向こうで馬鹿話ばかりをしているマスターですが、やはりその確かな料理の腕前と、美味い酒があるからこその説得力なのではないでしょうか。一人で行っても全然 楽しめる敷居の低いお店なので、そろそろ独り呑みを、なんて考えている方には是非お進めしたいお店です。

(堀部)

*1  1976年、憂歌団のライブにてデビュー。「小学生もびっくり!この下手さ」が当時のキャッチコピー。
*2  現在ほんやら洞を経営(?)しながら写真家として活躍。京都の美女や 猫を撮り続け、『八文字屋の美女』をはじめ著書多数。
*3  1997年から3年間、東大路北泉通り付近で営業。その際に当店店長も常連に。
*4  当店ではすっかりお馴染みの型染め作家さん。店長はお店ではなく屯風で知り合っている。
*5  『ロック自身』というフリーペーパーを誰にも頼まれず発行しつづける 、星君のこと。屯風では「ロック自身祭り」も開催。
*6  屯風定休日の日曜日だけ、お店を利用したギャラリースペースに変身。
*7  そのキャリアすでに30年近い泣く子も黙るノイズバンド。世界的な評価 も高い。
*8  エブリシング・バット・ザ・ガールのトレーシー・ソーンがEBTG結成前 に参加していたガールズバンド。下手で可愛い!

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メニュー(日や季節によって変わります)

さざえのつぼやき 一ヶ 200円
キングサーモンのトロのお造り 600円
とびうおお造り 500円
ブリと豆腐の煮付け 450円
さばのへしこ 450円
とりの朝鮮焼き 650円
などなど

ビール(エビス) 500円
梅酒 500円
焼酎 すべて400円~

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※移転しました→新店舗:屯風

〒606-8325 京都府京都市左京区聖護院東町1−103
075-751-5240