第二十八回 松本伸哉さん(KOTOBAYONET)

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個性豊かな作家さん、アーティスト、取引先の皆さんと毎日のように関わりながら成り立っている当店。そんな人々を探れば自ずと店の輪郭までもが浮かび上がるのではないかということで、スタートしました連載「一乗寺人間山脈」。今回は、ustream中継から、映画の宣伝、焼き菓子の販売までかなり幅広くミステリアスな活動を続けるKOTOBAYONETの松本伸哉さん。実は当店でのトークイベントの中継を担当していただいたり、店長とは10年来のつながりだったりと、関わりは深いながら、知らなかったその活動の真相に少しだけ迫ってみました。

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―メンソウル*1時代から常連客としてお世話になっていたわけですが、意外と恵文社として関わりはあまりないですよね。

僕にとっては恵文社というより堀部くんなんですが、最初会ったころはまだ「本の人」ではなくてDJで。10年くらい前かな?COLLAGEでクボタ(タケシ)*2とイベントやってたんですが、そこで一緒に(DJ)やったり。ゼスト*3にレコード買いに行ったら堀部くんと高橋くん*4がレジに立っていたり。あと、メンソウル横の一軒家に堀部くん、小堺くん*5が住んでて、遊びに来てくれたり。よく考えたら前店長の寺井さん*6ともほぼ音楽つながりだったんで、本がらみって全然ないですよね。恵文社さん自体は京一会館*7に通っていたので、普通の本屋だった頃から利用させてもらっていますが。

―メンソウルを辞められてから、KOTOBAYONETを立ち上げられるまでの経緯を簡単にお教え下さい。

店閉めて映画の仕事をやっていたんですが、09年から『堀川中立売』*8て映画をつくって、宣伝もやって、Webサイトも作ったりして。映画以外にも何かを企画をして、作り上げる作業をいくつかしているうちに自然とこうなりました。

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―KOTOBAYONETの活動内容はどのようなものですか??

僕以外の固定メンバーはWebとデザインの人ですので、通常業務としてそれはあるんですが、特に決まった活動というのはなくて、出会った人によって変わります。最近は、唐突なんですが焼き菓子を作って、ついでに通販サイトも作って売っています。たまたま会った人がすごくいい職人さんで、一緒にやろうかと。あとは西陣地区の活性化みたいなのとか、相変わらず映画もやってますし、バラバラです。27歳で自営になってから音楽と映画の仕事ばかりだったのですが、15年経ってやっとそれらのことが他の仕事にも応用出来るようになった。という感じでしょうか。

―今回の「小冊子セッション」にもKOTOBAYONET名義でご参加いただく事になりましたが、そこで発表される冊子のコンセプトやイメージなどを教えてください。

普通に共感してくれるものを作ってみたかったので、食について考えています。一応食に関することは映画や音楽と同じくらい得意分野なんです。ほぼ取材なんで、その人次第なところがあるんですが、ニッチな落としどころを探している最中です。

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『「恋愛日記」*記入済み』

―座右の書なんですが、これは・・ヤバいですね。

Well-Madeにシュッとしているものには全く興味が無くて、何かが圧倒的に欠けている人やモノ、清潔でも機能的でもない、生活感出まくりの世界が好きです。これは指示に従い記入して行く、自己啓発日記みたいなものですが、記入済みのものを知り合いが吉祥寺のゴミ捨て場で拾って、僕にくれました。上京した女の子の、恋愛に関するだらしない日常が書いてあります。たいした事件は起きず、軽い気持ちでセックスしたことを反省したりとか、そんなグダグダばかりなのですが、えらい感動しました。これを捨てた経緯とかも想像すると、本当に夢のある話だなと思います。

KOTOBAYONETの活動はこちらでチェック!

 

 *1高野にて松本さんが経営されていた中古レコード店。オールジャンルかつディープな品揃えで、レコードショップの少ない左京区にて異彩を放っていた。
*2 DJ、音楽プロデューサー。かつてはキミドリというグループでMCも担当した。
*3渋谷に本店があった輸入レコードショップ。2000年頃三条高倉に京都店がオープン。現在は渋谷、京都店共に惜しまれつつ閉店しました。
*4現在HALFBY名義で音楽活動を行うアーティスト/DJ。
*5現レコードショップ「JET SET」 京都店店長。
*6古書店「砂の書」店主。映画のサントラも手がける電子音楽ユニットDOWSER(ダウザー)のメンバー。
*71960年から1988年まで恵文社一乗寺店の向かいで営業した映画館。文芸作品から、ピンク映画まで、独自の特集上映をおこない、カルト的な人気を誇った。
*8アソシエイトプロデューサーというかたちで松本さんが関わった2010年劇場公開映画。柴田剛監督作品、京都の実在の地名堀川中立売周辺を舞台に、陰陽師と大妖怪の抗争をカオスに描いた怪作。

インタビュー/原稿:堀部篤史/写真:早川宏美(KOTOBAYONET)