第二十四回 kamiorikaoriさん(アクセサリー作家)

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個性豊かな作家さん、アーティスト、取引先の皆さんと毎日のように関わりながら成り立っている当店。そんな人々を探れば自ずと店の輪郭までもが浮かび上がるのではないかということで、スタートしました連載「一乗寺人間山脈」。
今回は、極細の糸を使った繊細な糸編みのアクセサリーや、洋服などを手がけるkamiorikaoriさんをご紹介します。現在神戸のTRITON CAFEにて開催中の、カメラマンの松元絵里子さん、イラストレーターのよしいちひろさんとの三人展「ポートレイト」の会場にお邪魔してお話を伺いました。

―kamioriさんのブランドは、アクセサリーや洋服、彫金など様々なジャンルを手がけていますが、今もすべてお一人で活動されているのですか?

基本的には一人です。洋服を仕立てる方は別にいるのですが、その場合はデザインとサンプルを私が作って、そのあとを依頼する形で制作しています。彫金なども型抜きなど業者に委託する分をのぞいては一人ですね。

―リボンのヘアゴムなどは?

ヘアゴムも作っていただいています。あの素材は毛糸を棒針で編んだものをリボンの形にしているから、手間がかかっているんです。実は私棒針が出来なくて…

―意外ですね。棒針と違って、かぎ針の方が形を作っていく感じで作りやすいのでしょうか?

そうかもしれないですね。棒針だと気持ちが続かなくて…かぎ針だと小さいというのもあって、どこでも出来たりしますし。気が短いので1日以上かけて作るものが出来ないんですよ。(笑)

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―ちなみにアクセを作り始めたきっかけは?

もともとH.P.FRANCE*1が凄く好きで、学生のころから働いていたんです。でも働きすぎて体調を崩してしまって。その後岡山に戻ったときに勤めた別のお店で、フランスのアクセサリーの展示会に行かせて頂いて、仕入れなどで色々いい物を見させていただいていたんですが、商品を見ているうちに「段々ここがこうだったら良いのに」という欲求が出てきてしまって…。当時はほんとにアクセサリーバカみたいな感じでした。(笑) その後TRITON CAFE*2で働き始めるのですが、服飾系に長くいたこともあって、オーナーから「何か作ってみれば?」という話を頂きまして。それは最後の一押しといった感じだったのですが、それから毎晩かぎ針と格闘しはじめました。

―アクセサリーを作ると決めて、なぜかぎ針を選んだのですか?

もともとアンティークのレースみたいな細かいものが好きだったので、一番近い気がしたんです。レース編みは完全に独学なのですが、段々綺麗な形のものができるようになってきて。その後リングも自分で作りたいと思い始めて、彫金教室に通って彫金の基礎を学びました。独立はなんとなく流れに任せた感じです。

―イメージはどのように生まれるのでしょうか?

洋書や洋雑誌の“LULA MAGAZINE”とか、洋写真集とか、そういうのをずっとめくっていてアイデアを思いつくことが多いですね。私は「素材ありき」のところがあるので、生地や素材を広げているうちにイメージが固まってくることもあります。彫金などの本格的な方法を知らないというのもあって、本格的にやってしまうともっと完成されたものができると思うのですが、作りながらこれくらいが可愛いという加減でやめたりとか、なんとなくこの方が可愛いかなというバランスでやっていたりします。

―ちなみに以前仰っていた岡山のアトリエはどのようになったのですか?お話によると制作や展示販売もそこでできるかも、ということでしたが…

実は工事が全然進んでいないんです…。今は主にカタログの撮影に使用していますが、今度ようやく建物の防水工事の作業に入るくらいなので、そこから内装工事を始める形です。なので本格始動はまだまだ時間がかかりそうです。

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―本格始動が楽しみですね。では座右の書を教えてください。

私、活字をほとんど読まなくて…でもこれは毎シーズンの展示会前には一番見返す本です。私が雑誌を初めに読み始めたのは“Olive”からなんですが、外国の女の子が可愛い服を着ていたりとか、そういうのがすごく好きで。この本も何を見る訳でもないのだけれど、可愛い姿を見ているうちになんとなくぼんやりイメージが湧いてくるというか…掻き立てられます。

控えめでどこか力の抜けた感じのテイストが可愛らしいkamioriさんのアクセサリー。ご本人も柔らかくおっとりした雰囲気ですが、毎回沢山の新作を発表されるなどエネルギッシュな面もあり、お話していても時折芯の強さが伝わってくるようでした。今回の三人展はこのあと名古屋、東京へと巡回します。東京展ではkamioriさんの新作受注会も同時開催されます。今回の新作は後日サイトでもご紹介を予定しておりますのでぜひお楽しみに。

(※画像に使用している会場風景は神戸の受注会の様子で、TRITON CAFEで開催中の展覧会の様子ではありません。神戸での受注会はすでに終了しておりますのでご了承ください。)

恵文社一乗寺店オンラインショップ取扱い商品はこちらからどうぞ。

*1 フランスを中心としたインポートアクセサリーや衣類を扱うブランド。
*2 神戸にあるカフェ兼オリジナル雑貨を扱うお店。http://www.triton-cafe.jp/

(七里)