第二回 CIRCO(ちるこ)さん(リース作家)

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個性豊かな作家さん、アーティスト、取引先の皆さんと毎日のように関わりながら成り立っている当店。そんな人々を探れば自ずと店の輪郭までもが浮かび上がるのではないかということで、前回よりスタートしました新連載「人間山脈」。第二回目のゲストは異色のリース作家、CIRCO(ちるこ)さんをフューチャーいたします。岡山県出身で、大阪での美容師(その他もろもろ)時代を経てのち、ご結婚を機に今現在は再び岡山に戻って作家活動中、という経歴を持つ彼女には、実はいくつもの顔があります。今回はそんなCIRCOさんと一緒に、春の益子陶器市*1へと出かけてきました。

―作家さんとの縁というのも不思議なもので、今思えばお取引させていただくことになったのも偶然で突然の出会いでしたよね。 私が大阪に住んでた頃、CIRCOさんの働いてるヘアサロンに 通ってたのに、岡山でまさかの再会!何年振りでしたっけ?

3~4年振りくらい?菊田さんが岡山に出張に来て、その時バッタリ会って近況報告する中でリースの話をしたら、興味を持ってくれて。ちょうど制作がんばってみたいなって思ってた時期でもあったし、自分としてはタイミングが良かったというか。リース作りも4年目に入って、最初の頃よりうまくなってきてた感じもあったし、嬉しかったですね。

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―でも大阪のスタイリスト時代*2を知ってる人間としては、なんか新鮮な驚きでしたよ。

今でも自宅でカットからカラー、パーマまで、美容師もぼちぼちやってたりするんですけどね。美容師を目指した頃、最初はコレクションでのステージメイクがやりたかったんです。それで某大御所スタイリストのところに無免許でいきなり弟子にして欲しい!とか直談判しに行ったりもしたけど、まあ現実はそう甘くはなく…。まったくの無給で働いたこともあったけど、身に付くような仕事はさせてもらえなくて、当時はもうお先まっくらでした。

―結構な苦労人ですよね…。リースっていうのはまたどうして?

ヘアメイクしてた時代にも、花を唇に貼ったり、土を目のまわりに塗ったりとか、いろいろ素材として使ってたんですね。自然に植物をスタイリングに取り入れてたような気がします。勉強のためにどんどん美しいものを見ようって、美術館にもよく通ったし、歌舞伎の化粧とかにも興味ありました。何かをつくり出すっていう部分では、ヘアメイクもリースも、延長線上にあるような気がしてて、自分の中ではかけ離れたものではないんでしょうね。今回も益子でたくさんの作家さんに会えて、すごく良い刺激になりました。

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ずいぶん買いましたもんね~。では、最後に座右の一冊を教えて下さい。

中川幸夫作品集『魔の山』*3です。花は咲いている時だけじゃなく、生まれて咲き、腐り、枯れていくその瞬間ごとにいろいろな美しさがあって、その花の「生命」を見続けることが美しさの発見につながることなんじゃないかって、そういうことを思わせてくれた本です。開くたびに驚きがあるので、ちっちゃな事でも何かわかるかな~といつも観察してます。ほんとうに摩訶不思議です、お花は。

 

 

中川幸夫作品集『魔の山』

 

*1 栃木県益子町で、毎年春と秋に開催される陶器を中心とした作家の市。
*2 ファッションショーの舞台裏でヘアメイク他スタイリストの仕事を経た後、大阪で美容師を6年余りされていました。
*3 香川県出身の生け花作家、中川幸夫はそのアバンギャルドな作風から国内外で高い評価を得ている。こちらの作品集は、半世紀に及ぶ中川作品の集大成ともいえる作品集で、2003年の出版。装幀は杉浦康平。

(菊田)